スマートフォンに「+1(823)」という見知らぬ番号から電話がかかってきた――そんな経験はありませんか?
一見すると、アメリカやカナダからの国際電話に見えますが、実はその番号の裏には詐欺のリスクが潜んでいる可能性があるのです。
「折り返したら高額請求が来た」「電話に出たあとから怪しい着信が増えた」「自分の名前やカード番号を話してしまった」――
このような被害事例が全国で急増しています。
この記事では、以下のような疑問に答えていきます。
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+1(823)ってどこからの番号?本当に海外?
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なぜこの番号が危険と言われているのか?
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実際に使われている詐欺の手口とは?
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うっかり電話に出てしまった場合はどうする?
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自分や家族を守るために今できる対策は?
スマホを持っているすべての人に関係がある内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
■ 「+1(823)」はどこからの番号?|見た目は海外、でも中身は不明…
まず最初に、「+1(823)」という番号の構造について簡単に整理しておきましょう。
番号構成 | 意味 | 補足説明 |
---|---|---|
+1 | 国番号(アメリカ・カナダ) | 正規の国番号で、北米全体が含まれます |
823 | エリアコードのように見えるが不明 | 固定地域ではなく、IP電話や仮想番号の可能性が高い |
確かに「+1」はアメリカやカナダなど北米地域の国番号であり、通常であれば信頼できる番号に見えます。
しかし、問題はその次に続く「823」という数字。
この番号は、アメリカやカナダの正規の市外局番としては存在していないか、もしくはIP電話業者や一時的な仮想番号として利用されている可能性があります。
つまり「見た目だけは北米だけど、誰がどこからかけているかは分からない」電話ということなのです。
■ なぜ+1(823)の番号が「怪しい」「危険」とされるのか?
見慣れない国際番号には不安を感じるものですが、この番号には特に注意が必要です。
その理由は、詐欺や迷惑電話に多く使われているからです。
実際、国際詐欺を専門に扱う警察庁のデータでも、+1から始まる番号を使った詐欺の相談件数がここ数年で急増していることが明らかになっています。
特に、+1(823)は「エリアコードとして特定地域を持たない」という特徴があり、以下のような背景があるとされています:
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通信事業者が利用者に仮番号として提供している可能性
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通話トラフィックを中継するIP通話サービスが介在している
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発信元の特定を意図的に困難にしている
そのため、詐欺目的の業者が「正体を隠すためにあえてこの番号を使っている」ケースが非常に多いのです。
■ 実際に使われている詐欺の手口|だまされる前に知っておこう!
では、+1(823)のような番号を使って、実際にどのような詐欺が行われているのでしょうか?
以下の表をご覧ください。
手口の種類 | 概要と目的 |
---|---|
ワン切り詐欺 | 一度だけ電話を鳴らして切り、折り返させて高額な通話料を発生させる |
自動音声詐欺 | 「〇を押してください」という音声案内で、詐欺オペレーターに誘導される |
偽装機関詐欺 | 警察・郵便局・役所・銀行などを装い、料金未納・差し押さえなどと脅して金銭や情報を要求 |
押し貸し詐欺 | 見知らぬ振込を勝手に行い、後から高額な利息を請求される。マネーロンダリングに使われる場合もある |
サブスクリプション詐欺 | 意図しないサービスに登録され、身に覚えのない月額料金を請求される |
これらの詐欺の共通点は、「不安をあおって、冷静な判断を奪い、即行動させること」です。
しかも、手口が年々巧妙になっており、普通の人がうっかり騙されてしまうケースが増えています。
■ 電話に出てしまったらどうなる?カモリスト登録と二次被害の可能性
「出てしまったらどうしよう…」と不安に思う方もいるでしょう。
実際、電話に出た時点で“この番号は応答する相手”としてリスト化される恐れがあります。
これを業界では「カモリスト」と呼びます。
一度このリストに入ってしまうと、以下のようなトラブルが起こることがあります。
トラブルの内容 | 説明 |
---|---|
同様の電話が何度もかかる | 一度出た相手は、別の番号でも繰り返し狙われやすい |
知らぬ間に情報が利用される | 通話中に話した情報をもとに他の詐欺へ利用される |
警戒心をなくした頃に再接触される | 時間を置いて再び違う手口で連絡が来ることもある |
■ 出てしまった後の正しい対応手順|5つの行動ですぐに対処しよう
電話に出てしまっても、正しい手順で対応すれば被害を最小限に抑えられます。
以下の5ステップを参考にしてください。
ステップ | 内容 |
---|---|
① | 電話をすぐに切る。会話を長引かせない |
② | 折り返しはしない。相手の思うツボです |
③ | 個人情報を話してしまった場合は、速やかにカード会社・銀行に連絡 |
④ | 該当番号を着信拒否設定。迷惑電話対策アプリも併用 |
⑤ | 不安な場合は「#9110」「188」に相談する |
これらのステップは、詐欺の初動を止めるために極めて重要です。
■ 今すぐできる予防策|事前の準備があなたを守る
被害に遭わないために、次のような対策を日頃からしておくと安心です。
対策方法 | 解説 |
---|---|
着信拒否設定 | スマホの機能で特定の番号、国際電話を拒否できます。キャリアによって専用サービスもあり |
迷惑電話対策アプリの導入 | 「Whoscall」や「Truecaller」などで怪しい番号を自動的に識別&警告 |
家族との情報共有 | 高齢者やお子さんも狙われやすいため、詐欺の事例を話し合っておくことが大切 |
SNSへの個人情報制限 | 電話番号や誕生日を公開していると、悪用されるリスクが急増します |
■ 最後に:出ない・折り返さない・話さない があなたの防御策
「+1(823)」のような番号は、日常的にスマホを使う現代人すべてが遭遇し得るリスクです。
だからこそ、**誰でもできる「3つの防御策」**を心に刻んでおいてください。
✅ 詐欺から身を守る3つのルール
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知らない国際番号には出ない
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好奇心で折り返さない
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個人情報は絶対に話さない
少しでも「怪しい」と思ったら、電話はすぐに切ってください。
そして、何か不安があるときは、ひとりで抱え込まず、家族・友人・相談窓口に連絡を。
この小さな一歩が、あなたとあなたの大切な人の安全を守ります。
この記事が少しでもその手助けになれば幸いです。
📞 相談先まとめ(ブックマーク推奨)
相談窓口 | 電話番号 | 対応内容 |
---|---|---|
警察相談専用ダイヤル | #9110 | 詐欺被害の相談・情報提供 |
消費者ホットライン | 188(局番なし) | 契約・料金トラブルの相談窓口 |
NTT国際電話拒否窓口 | 0120-210-364 | 固定電話からの国際着信ブロック |
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防げる被害を、1件でも減らしましょう。
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