「御礼」という言葉、ビジネスメールや挨拶状でよく見かけますが、正しい読み方を自信を持って答えられますか?
一般的には「おれい」と読みますが、「満員御礼」「当選御礼」のように「おんれい」と読むケースもあり、混乱しやすい表現です。
さらに「お礼」と「御礼」の違い、「謝礼」との使い分けも曖昧になりがちです。
本記事では、「御礼」の正しい読み方を軸に、お礼・御礼・謝礼の違いや使うべき場面をわかりやすく整理しました。
就職活動やビジネスの場面で恥をかかないために、言葉のニュアンスやマナーをしっかり理解しておきましょう。
読み終えたときには、場面に合わせて自信を持って「御礼」を使い分けられるようになります。
御礼の正しい読み方は「おれい」?「おんれい」?
「御礼」という言葉は、感謝を表すフォーマルな表現ですが、実は読み方で迷う人も多いですよね。
この章では、「御礼」の正しい読み方と、特別な場面での読み方の違いについて整理します。
御礼の一般的な読み方と辞書的な位置づけ
辞書や一般的な日本語表現において、「御礼」は基本的に『おれい』と読むのが正しいとされています。
手紙やビジネスメールで「御礼申し上げます」と書かれていたら、読み方は「おれい」であり、ほぼ例外はありません。
「御礼」を「おんれい」と読むことは誤用とされるケースが多いため注意が必要です。
表記 | 一般的な読み方 | 使用シーン |
---|---|---|
御礼 | おれい | ビジネス文書・メール・挨拶状 |
お礼 | おれい | 日常的な感謝の表現 |
満員御礼・当選御礼など特殊なケース
一方で、看板や挨拶状などに使われる「満員御礼」「当選御礼」などは『おんれい』と読む慣習がある言葉です。
例えば相撲の興行や選挙後の挨拶状で目にする「満員御礼」「当選御礼」は、「おんれい」と発音されるのが一般的です。
ただし、書き分けとして「おん礼」とは表記せず、あくまで「御礼」と書きます。
表現 | 読み方 | 使われる場面 |
---|---|---|
満員御礼 | まんいんおんれい | 興行やイベントで客席が満員のとき |
当選御礼 | とうせんおんれい | 選挙で当選した後の挨拶状 |
「お礼」と「御礼」の違いとは?
次に、「お礼」と「御礼」の違いを整理してみましょう。
どちらも感謝を表す言葉ですが、使われる場面やニュアンスには違いがあります。
「お礼」は日常的な感謝を表す言葉
「お礼」は日常生活で使われるカジュアルな感謝の言葉です。
友人や同僚、家族など身近な人に対して「ありがとう」と伝えるときに使われます。
例えば、「昨日は手伝ってくれてありがとう。改めてお礼を言わせてね」というような場面です。
表現 | ニュアンス | 例文 |
---|---|---|
お礼 | カジュアル | 旅行のお土産をいただいたので、お礼のメッセージを送りました。 |
「御礼」はよりフォーマルで改まった表現
一方、「御礼」はビジネスや改まった場で感謝を伝えるときに使う表現です。
たとえば、会議後に「昨日は貴重なお時間をいただき、御礼申し上げます」といった形で用います。
「御礼」は、形式や礼儀を大切にする場面で選ぶべき言葉といえるでしょう。
表現 | ニュアンス | 例文 |
---|---|---|
御礼 | フォーマル | このたびはご来場いただき、心より御礼申し上げます。 |
「謝礼」と「御礼」の違いを整理しよう
「謝礼」と「御礼」は似ているようで、実は使い分けがはっきりしています。
この章では、両者の違いを具体的な例を交えて解説します。
「謝礼」は金品で感謝を伝える表現
「謝礼」とはお金や品物という“形のあるもの”で感謝を示す言葉です。
講演を依頼した講師に現金や商品券を渡したり、アンケート協力者に図書カードを渡したりするときに使います。
言葉ではなく「モノ」で感謝を表す場合に「謝礼」を使うと覚えておくと便利です。
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
謝礼 | お金や品物で感謝を伝える | セミナー終了後、講師に謝礼をお渡ししました。 |
御礼と謝礼の使い分け方の具体例
「御礼」は文章や言葉で感謝を伝えるのに対し、「謝礼」は金品で感謝を示す点が大きな違いです。
例えば、商談後に感謝の気持ちを伝えるときは「御礼メール」を送ります。
一方、セミナー後に講師へお金を渡す場合は「謝礼金」と表現します。
シーン | 表現 | 例文 |
---|---|---|
商談後 | 御礼 | 昨日の打ち合わせでは貴重なお時間をいただき、御礼申し上げます。 |
講演後 | 謝礼 | 講演後に講師の方へ謝礼金をお渡ししました。 |
ビジネスシーンでの御礼の使い方
ビジネスの現場では「御礼」という言葉を使う機会がとても多いです。
ここでは、御礼を正しく伝えるためのマナーと例文を紹介します。
御礼メールや御礼状の基本マナー
会議や面談の後に送る「御礼メール」は、感謝を伝えるだけでなく、今後の関係を築く大切な機会です。
メールはなるべく早く、できれば当日〜翌日中に送るのが理想です。
相手の名前や内容に誤りがあると失礼になるため、特に注意してください。
項目 | ポイント |
---|---|
送るタイミング | 当日〜翌日 |
文面の構成 | 挨拶 → 感謝の言葉 → 打ち合わせ内容に触れる → 結び |
例文で学ぶフォーマルな表現
以下は、ビジネスメールでよく使われる御礼表現の例文です。
シーンごとに参考にしてみてください。
シーン | 例文 |
---|---|
会議後 | 昨日はご多忙の中お時間をいただき、誠にありがとうございました。貴重なご意見を伺うことができ、大変有意義な時間となりました。心より御礼申し上げます。 |
取引成立後 | このたびはご契約いただき、厚く御礼申し上げます。今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。 |
訪問後 | 先日はご訪問の機会を賜り、御礼申し上げます。おかげさまで有益なお話を伺うことができました。 |
御礼を伝えるときの注意点とマナー
「御礼」は感謝の気持ちを丁寧に伝える表現ですが、正しく伝えるにはいくつかのマナーを押さえておく必要があります。
ここでは、特に注意したいポイントを解説します。
タイミングとスピード感の重要性
感謝の言葉はできるだけ早く伝えることが基本です。
会議やイベントが終わったら、できればその日のうちにメールや電話で御礼を伝えるのが望ましいです。
遅れてしまうと、相手への感謝の気持ちが伝わりにくくなるため注意しましょう。
シーン | 御礼を伝える理想のタイミング |
---|---|
会議や打ち合わせ | 当日〜翌日中 |
贈り物を受け取ったとき | その日のうちに電話やメール、後日お礼状 |
講演やイベント | 終了後すぐ、または翌日 |
贈り物・寸志・謝礼との違いに注意
「御礼」を表すときには、似た言葉との違いを意識することも大切です。
たとえば「寸志」は、目上の立場からへりくだって渡す金品を指し、「謝礼」は感謝を形あるものにして渡す場合に使われます。
御礼=言葉で伝える感謝、謝礼=モノで伝える感謝、寸志=謙遜した金品と覚えておくと整理しやすいです。
表現 | 意味 | 使用シーン |
---|---|---|
御礼 | 感謝の気持ちを丁寧な言葉で伝える | ビジネス文書・メール・挨拶 |
謝礼 | お金や品物で感謝を伝える | 講師へのお礼、調査協力 |
寸志 | 目上からへりくだって渡す金品 | 上司から部下への謝意 |
まとめ:御礼の読み方と正しい使い方を身につけよう
ここまで、「御礼」の読み方や「お礼」「謝礼」との違いを整理してきました。
最後にもう一度、大切なポイントをまとめます。
- 「御礼」は基本的に「おれい」と読む
- 「満員御礼」「当選御礼」などの慣用表現では「おんれい」と読む
- 「お礼」は日常的でカジュアルな表現
- 「御礼」は改まった場面で使うフォーマルな表現
- 「謝礼」はお金や品物など“形”で感謝を伝えるときに使う
- 御礼はできるだけ早く、丁寧に伝えるのがマナー
ちょっとした言葉の選び方ひとつで、相手に与える印象は大きく変わります。
正しい読み方や使い分けを身につければ、日常会話やビジネスシーンで一段と信頼感を高められるでしょう。
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